-introduction-
「輝きの川」は初めて本格的な物語作品として制作した切り絵アニメーション。ガラス6層のマルチプレーン撮影台を使用して制作しました。布やスパンコール、実際の水など様々なマテリアルを使用し、“手触り”のある世界とキャラクターを描いています。またそうした素材に実際の光を当てることによって画面に豊かな色合いを生み出しました。音楽の羽深由理さん、サウンドデザインの宮澤詩織さんがディレクションした本作のサウンドもまた作品に力強く優しい奥行きを与えてくれています。
-film date-
year completed / 2009
running time/ 15min 52sec
technique / cut-out
音楽 / 羽深由理
サウンドデザイン/ 宮澤詩織
-art works-
1.DVDジャケットデザイン案
2.【ミル】デザインスケッチ
3.コンセプトアート
-maiking note-
作品で使用した撮影台は6枚のガラスで層が作られています。シーンによっては各層の高さを調整したりもします。キャラクターや背景はセルや紙にアクリル絵の具で描き切り抜きます。明るい色は上下のガラスに何重にも映り込んでしまうので、裏面は黒く塗ってそれを防ぎます。また布を素材として使ってみたりもしました。蝶のシーンは半透明の絵の具で描かれ下から光を当てスクリーン上に投影するという影絵の手法を用いています。カワネズミのシーンではスパンコールやラインストーンに光を反射させ、1コマごとに光源を移動させることでキラキラと光らせました。
色んな素材や方法を使って撮影出来るので、制作時は街を歩いている時も常に撮影に使えそうなものはないかと作品の事ばかり考えていました。また体を大きく動かしたり、指先でミリ以下の動きに神経を張りつめたりしながらの撮影は、作品の1コマ1コマに確かに自分の手の跡を残していったんじゃないかと思います。